病は気から演奏の問題点も気から
「病は気から」と言いますが、 東洋医学では体には気が流れており、その気が滞るとその部分に病気が現れるそうです。 演奏も同じことが言えます。先日ヴァイオリンを弾かれる方から音程について相談を受けました。 その方の弾く姿を見ると、左手の指が不自然に一生懸命指を動かしていると言う印象です。 しかし、もっと全身を観察し音をよく聴くと、原因は左手ではない事が分かります。歌という「気」が体を流れていないと言いますか、その「気」の流れが非常に弱いのです。 そのため、体が自然な歌の流れを感じず、複雑な動きをする左手の指に余計な意識が集中する。結果、無理矢理指を動かしてしまう状態になっていたのです。 そこで、何回か練習している曲を声で歌ってもらいました。 1. 注意する点は伴奏とのハーモニーを感じる。音の空間を意識し感覚を開きます。 2. 下腹の辺りまで空間に広がる音を吸い込むつもりで歌うこと。大きな声で歌う必要はありませんが、喉だけで音程を取っていてはリズムの流れが感じられません。しっかりお腹で歌うようにします。 このような事に気をつけ、何回か歌ってもらいます。その後ヴァイオリンで演奏してもらいました。その際、歌ったときの下腹をよく感じ、歌である「気」が下腹から背骨・肩・腕・指、そして指から楽器に流していくように感じます。左手の指の動きは忘れ、歌の流れだけ感じるようにします。 もちろん右手に流れる歌も同様に感じます。 全身下腹辺りから背骨・肩・腕・指・楽器へと歌を強く流すように意識します。 歌が身体を流れる事に意識して、何回か練習してもらいました。すると、身体の動きが自然になり、音程も良くなり、何よりも本人が歌っている、と言う実感を得ることができたそうです。 楽器を弾かれる方は様々な問題にぶつかると思いますが、まずは全身を流れる歌を意識すると問題解決も早くなります。