びっくりするほど上達する耳で弾くピアノ奏法
ピアノは弦楽器と違って鍵盤を押せばピアノの音が出ます。音程も調律がされていれば一応正しく出ます。 そのため弦楽器のように習い始めは耐えられない音が出る…ということは無い分、始めやすい楽器である、とは言えます。 しかし、こと押せば鳴ることがピアノの落とし穴なのです。 ピアノを弾かれる方は誰も「いやいや、音はちゃんと聴いてます」と言われるかも知れませんが、もっと聴いたらもっと美しく弾けるようになると思ってみて下さい。 このブログのいたる所に音は空間に広がり、景色を見るように聴く、ということを何度も書いていますが、ピアノはこの聴き方の効果が最も現れやすい楽器です。 和音が楽に出る事や大きな共鳴箱を持っている所から、豊かな響きを得ることが出来るからです。 実際ピアノを練習するときどのように音を聴くのか説明しようと思います。人の耳は何か特定な音だけに意識が集中するようになっています。つまり両手で弾いていてもあるときは右手のメロディーだけ、あるいは左手のベースだけ、というように部分的にしか聞いていない可能性があります。 そこで、楽譜の音を一音残らず聴き取るために、全ての音を声に出して歌います。もちろん声がピアノのハーモニーと溶け合い美しさが感じられるように歌います。音が美しく響くのが分からない場合はまだまだ足りません。 空間を意識し音の広がりを眺めるように聞いて下さい。 協和音・不協和音全ての溶け合うように聴きます。 メロディーもハーモニーに溶け合うように歌います。なぜならメロディーはハーモニーがあって初めて美しく流れるからです。 実際演奏するとき、どのくらいメロディーを浮き立たせるかは、演奏者の感性次第です。しかし、音を聴く練習のときは溶け合い包み込むように歌いましょう。 たくさんの声部が流れるフレーズでは 拍ごとの音の重なりの響きを歌って捉えるとともに、一つ一つの声部の流れも歌いましょう。利き手でない方で奏でるメロディーは意外に歌い難いものです。 このように歌って弾いていると、自分がどんな音を表現したいのか明確に見えてきます。歌うことによって一つ一つの響きの色を感じ、それがリズムに乗って流れ出すわけですから、それはそれは美しい光景が広がります。 この美しい光景が、まさに光...