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法隆寺とアンサンブル

  世界最古の木造建築と言われる法隆寺に使用されている木材は、木材の癖をそのまま生かすため、どれ一つとして同じ形が無いそうです。加工技術が現代のような機械を使う加工でなく、カンナで削り出す方法であるため、全て同じ寸法にすることが難しいのです。 そして、その不揃い 言うと悪く聞こえますが、木材の癖をそのまま残した部材をバランスよく組み合わせることであの美しく千年以上も建ち続ける法隆寺の建物が出来ているのです。 実はアンサンブルもこれと全く同じことが言えます。良いアンサンブルとは一人一人の癖を個性として生かし、調和を作っていくものなのです。音を合わせるために皆同じ弾き方、チューナーで計ったような音程では生きたアンサンブルはできません。 それではみんなバラバラで合うのか…と思われるかも知れません。 このようなそれぞれ違った弾き方を合わせるのが感覚を開いた音の聴き方です。他の人の音をあたかも自分が弾いているかのように感じる聴き方です。アンサンブル全体を自分が率いて弾いている弾き方です。 このようなアンサンブルができる、こなような音の聴き方ができると言うことは、他人の個性を認め調和をしていくと言うことです。 是非、ただ美しいだけでなく、個性を生かし本当の生きた音楽をして下さい!