大人の練習方法(2)
大人になってから楽器を始められた方のための練習法、今回は聴覚についてです。
耳は幼いうちに鍛えねば、と思われている方もいると思いますが、絶対音感などを望まなければいつでも鍛える事はできます。
子供のレッスンをしていて思うのは、本当に聴覚が柔らかいことです。音を聴いているだけで、音程が勝手に合って行く程です。大人も是非こと耳を手に入れたいところ。
そんな方法をご紹介します。
大人はハーモニー感を育てましょう。演奏は無意識のレベルで感じ、行う事がとても多い作業です。ハーモニーはいくつもの音を同時に聴き、そこからイマジネーションを膨らませるものです。これを鍛えれば音楽が飛躍的に生きてきます。
人間は音を聞いた時、無意識に1つか2つ程の音にしか注意を払いません。自分では和音を聴いているつもりでも、実はあまり聴いていないのです。
まずピアノなどで和音を弾きその音を歌っていきます。耳が慣れてくると音が溶け合い、どの音を歌っても同じ響きがする様になります。
その時音が部屋中に広がり、景色の様に見える感じをイメージして下さい。音を聞こうと思うと無意識に1つの音に焦点を当てたしまうので、音を見るとか眺めると思って下さい。
十分音が溶け合い美しく広がったら良いでしょう。
注意する事はあまり考えない様に、感じる事が必要です。和音の第3音は高め?低め?とか純正律は?などと考えていてはイマジネーションは膨らみません。最初はその様に考えても、すぐ忘れて音の美しさを感じる様にしましょう。
この練習も一回では何もなりません。毎日の練習に組み込んで、常に耳を鍛える様にして下さい。きっと演奏している音楽が、全く違って聞こえる様になります。音感と身体が結びつけば、思うだけ、心で歌うだけで、身体が勝手にその通りの音を出してくれる様になります。
是非、そんな心で奏でる演奏をして下さい!