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9月, 2017の投稿を表示しています

あなたの演奏は幸せにあふれていますか?

音楽の本来の目的は、潜在意識を解放し心の風通しを良くするもの。それは心が解放されていく豊かさを感じ、幸せになること。 一つの成長段階として高度な演奏技術を身につける事は大切なことです。しかし、もっと大切な事はその段階をさらに超え、心を解放する豊かさを得る事。それは聴いている人も豊かな気持ちにさせ、生きるエネルギーを湧き立たせます。 私たちは目に見えるもの客観的な物で評価をしがちです。 クラシックの演奏に於いてそれは演奏技術でなされる事が多くあります。演奏技術と言っても音の正確さ大きさ強弱の幅音色やビブラートのコントロールなど多岐に渡り、それらの巧みさを音楽性と勘違いする事があります。しかし、それらは言ってみれば物理的なものに過ぎません。 実はもっと大切なものは演奏者から発せられる「気」と言いましょうか、目に見えない耳で聴こえない何かなのです。音楽とはそんな心が映し出された音、そして音を通して演奏する人聴く人それぞれが心を通わすことができるものなのです。

ヴァイオリンの指板は強く押さえない

ヴァイオリンの習い始めは指板をしっかり押さえなさい!と指導されると思います。それはある意味正しいのですが、正しく理解しないと、むやみに力を入れてしまうことになります。 指の柔らかい子供はしっかり抑えることで、指の形を作り上達につながりますが、ある程度体の出来上がった人にとっては、力みの原因になります。また左手の指が力を入れることで固定されてしまい、音程もかえって悪くなります。 ここで脱力した指板の押さえ方について説明します。 手のひらは出来るだけ力を抜きましょう。 今まで力の入っていた人は、弦をしっかり押さえられていないような感じがするかも知れませんが、そのままにして下さい。始めは指板と弦が離れているくらい、弦が指板から少し浮いた状態で柔らかく押さえてみましょう。思い切ってぶわぶわして不安になるくらいやってみましょう。 よくある間違いは左手を脱力すると、右手の弓圧まで軽くなるとこがよくあります。音がしっかり出ないのは左手のせいではなく、右手が原因の場合もあります。 指板は軽く押さえても右手の弓圧はしっかり下腹で支えるように心がけましょう。下腹で弓圧を支えると、下腹から右手で音程を取る感覚がわかると思います。 その感覚が分かると、腹で歌うように音程も曲想も奏でられるようになります。是非試してみて下さい。

ヴァイオリン ピアノの奏法の共通点

ヴァイオリンとピアノは全く違う楽器ですが、奏法には共通点が非常に多くあります。 一体どこが共通点なのでしょうか。一つは身体全体の使い方です。下腹の丹田(場合によってはもっと下の方、遥か地球の中心)から歌のエネルギーが背中を通り、肩 腕 手 指先と流れ、楽器に入っていく感覚はまさに同じと言えます。 ヴァイオリンもピアノも手先だけでも弾けますが、これでは単なる音が出るだけで、音楽にはなりません。そのような落とし穴も共通点かもしれません! 二つ目の共通点は指の形。手のひらは脱力すると自然に全ての指が柔らかく曲がります。この力の抜けた形が、柔らかいホースのように歌のエネルギーを身体から楽器に流していくのです。もしどこかに余分な力が入れば、ホースが詰まった状態と同じになり、歌が自然に楽器に流れません。もちろん肩や腕に力が入っても歌は滞ってしまいます。 その他にもまだまだ共通点はあるの思います。ピアノもヴァイオリンも大変練習に時間のかかる楽器ではありますが、両方取り組むと音楽へのアプローチが多面的になり、より深い音楽ができるでしょう。是非チャレンジしてみて下さい。

人に導いてもらう近道レーニング

人は注意を向けた音だけに聴覚が勝手にクローズアップし、他の音を小さく或いはシャットアウトしてしまいます。また聴覚に対し視覚など他の感覚が優勢になることもあります。これらのことが音を聴いていると思っても聴いていない原因です。 これを楽器を弾きながらでも、ハーモニー全体を聴く能力を高めることが重要になります。 このトレーニングは一人でも、もちろん出来るのですが、なかなか初めのうちは自分が聴こえているのかいないのか、分からなかったり、聴こえていないのに聴こえていると思い込んだりする事が多くあります。 そのような場合、ハーモニーがよく聴こえる人とアンサンブルなどをし、導いてもらう事が近道になります。それを繰り返すうちに自然にハーモニー感をつかむ事ができ、美しい響きを作ることができるようになるでしょう。 一人で英会話を練習するより、他の人と会話した方が早く喋れるようになるのと同じでしょうか。

レッスンの心得

楽器を習得するためにレッスンに通われている方は多いと思います。せっかくお金も時間もかけて習っているのですから、しっかり上達しましょう。その時の心構えに付いて述べさせて頂こうと思います。と言っても、ごく当たり前のことですし、信頼出来る先生の指導を受けることの重要性は言うまでもありません。 まず上達するのは自分ですから、先生にどうにかしてもらうのではなく、自分で上達するんだ、という気持ちでレッスンや練習をしましょう。 先生の言われた通りやっていれば大丈夫、と安易に考えず、先生の意図していることは何なのか?よく考えるようにしましょう。 また同じ楽器を習っても先生によって言われることが違います。ときには真逆の事もあります。それはどちらかの先生が間違っているのではなく、上達のためのルートがいくつもあるのです。 一つの山を登るのにもルートはたくさんあります。違うルートを通れば見える景色も全く違うものです。 同じ様に一つの楽器を習っても、上達のルートが違えばまるで違う練習法になる事はあるでしょう。 何かの理由で先生を変わった時など、前の先生と言われることが違う事はよくあります。そなことで悩んでいるなら、山を遠くから鳥の目線で見る様に眺めてみましょう。自分はどこに向かって何を何のために練習するのか考えてみて下さい。 また、先生に頼り切って何も考えないのでは上達しませんが、腰を据えることなく、あれこれ勝手練習してもなかなか効果は上がりません。 素直に指導に従って努力する事も大切です。大概、体で習得する様なものは、出来る様になって初めて先生の言っていた事はこれなのか!と分かるものです。 先生を信じ、自分で努力して上達しましょう。 また、子供さんが練習しないと悩む保護者の方も多いと思います。そんな時は音楽的な環境を整えてあげて下さい。まず家族みんなで音楽を楽しんだり、演奏会へ出かけたりしてみて下さい。音楽と楽しい思い出を作って下さい。 文化とは家庭や地域に根ざしたものです。家族が音楽に無関心で、地域に何も音楽的な物が無いのに、毎日練習する子供はいません。 まずは家庭の中に音楽を楽しむ空気を取り入れましょう。皆さんの生活が豊かになったと感じたら、きっとお子さんも楽器の練習に、真剣に向き合う様になるでしょう。

色彩豊かな半音階を弾くには!

半音階は微妙な色彩や表情を表現するときによく出て来ます。 そんな半音階のスケール練習は何の調も同じ?ようにら感じてしまいます。 そこで、半音階を表情豊かに弾くための練習法を紹介します。 音の進行的にはどこを切り取っても同じような半音階ですが、その下で流れるハーモニーや調性によって音の役割は1音1音異なります。理論的に分かるだけでは不十分です。音の表情としてそれを感じられるようにしましょう。 そこで、その調の主和音の上に半音階を乗せ、1音1音の表情の違いを感じてみて下さい。その他主要三和音の上で半音階を弾くことや、同じ半音階を様々な調の和音の上で弾いてみる。その表情の変化をしっかり味わって弾きましょう。もちろん、その前に全ての音をハーモニーと音の広がりを感じて声で歌うことも大切です。 このような練習がしっかり出来ていると、曲の中で半音階が出て来たとき、瞬時にその表情を感じ取り、美しく表現できるようになります。 是非、半音階ならではの美しい表現をして下さい!

ゆっくり弾くことは非常に効果的

弦楽器を練習する場合、ゆっくり弾くことは非常に効果的です。 一つ一つの音の流れや表情を身体の使い方とシンクロさせながら細やかに感じ取ることができ、曲が表情豊かに仕上がります。 音階などではゆっくり弾くことで長い時間指の形を保つことになり、より効果的になります。特に重音などでは効果が高いです。 ゆっくり練習する場合は音の流れをしっかり感じることが大切です。ただ音が伸びているのではなく、次の音に向かって進む感覚を持ちましょう。 身体の中の感覚を研ぎ澄ますことも大切です。弓圧をしっかり下腹の丹田で支え、そこから出る歌が弓を通し楽器に入って行く、その歌が楽器から空間に音として広がる事をしっかり味わうように感じ取ると上達も一層速くなります。

楽譜の見方 読み方

オーケストラや室内楽をするときみなさん楽譜を見られると思います。 合奏では周りの音や動きをつぶさに察知せねばならないので、楽譜を見ると言ってもじーっと見ているわけにはいけません。 かと言って目を話すと間違える…。なんて思ったことはありませんか? そんな悩みにお答えします。 楽譜は1音1音読んでいるのではありません。もちろん暗譜するほど練習してあるのが良いのですが、なかなかそうもいきません。 大まかに、フレーズごとに捉えていきます。音楽は大体流れがあり、突然変な音に動くことは稀です。ですから半分は想像して弾いていけるのです。(想像もつかない音に動く曲は本当に大変です…) 「想像」と言いますと、書いてある音と違う曲になってしまわないか…と心配されるかも知れませんが、なんとなく楽譜を見、周りを聴きながら弾いて行くと、これがどういうわけかちゃんと弾けて行くのです。 それが音楽の洞察力と言って良いでしょうか。文章を読むように、瞬時に音楽を理解して表現していくのです。 そんなふうに言うと、相当レベルの高い話のように思われるかもしれませんが、意外に誰でもなれます。文章を読むとき一文字づつ読むのではなく、一つの単語ごとや、ある程度の文の塊を一目で捉えて同時に意味を理解して行くのと同じです。 そしてそのための練習が音階練習なのです。音階練習は調性と音の並びを感覚で身に付けます。音楽は音階からできていますので、音階という部品をいっぱい持っていれば、曲に応じてそれを出すだけなのです。音楽の文法を感覚的に身につけることによって、音楽の表現している物が掴めていくのです。 そして楽譜に気を取られないぶん音楽に集中できよるようになり、豊かな表現が出来るようになるのです。 是非みなさん音階練習して下さい。

アンサンブルと縫い物

なんだか変なタイトルですが…。このブログに法隆寺の部材と音楽について書きましたが、縫い物 生地を縫い合わせて作る洋裁とアンサンブルが非常に似ているのでご紹介したいと思います。 洋裁は型紙に合わせて布を裁ちます。この裁ったパーツだけを見るとハギレと変わりません…。気を付けないとゴミと間違えて捨ててしまいそうです…。 こんなハギレのようなパーツを縫いわせると、本当に不思議な事に洋服に変身するのです。縫い合わせる前のパーツはみんな平面ですが、無理矢理と思うほどマチ針を指し、縦横を合わせて縫い上げると立体的な洋服に出来上がります。 初めて洋服を縫った時は当たり前なのに本当に感動しました。 この作業をしているときにふと閃いたのが、これはアンサンブルと同じではないか!ということです。アンサンブルはパート譜だけ見るとなんだかよく分かりません。音と音を繋ぎ合わせ合奏をすると急に音楽が立体的に浮き上がるのです。 しかも、一人一人が違う癖やイントネーションを持っていても、お互いに引っ張り合い重ねていくと自然にバランスがとれ音楽になるのです。 そうして作り上げた音楽は立体的にまるで質量があるかの様に宙を舞うのです。 こうしてみると音楽は本当に色々な事に繋がっていますね。

カラオケは楽しくてクラシックは退屈と感じるわけ

学校で習う音楽は嫌いだけどカラオケは好き、と言う学生はけっこう多いのではないでしょうか? また、かつてピアノを習っていたが今は全く弾かない、という人も多いように感じます。 この理由は実は同じところにあります。音楽は本来 心の奥から出てくる物で、「心の言葉」と言って良いでしょう? しかし、音楽教育として音楽を習うと「心の言葉」と言う何だかよく分からない部分を省いて、音を鳴らす事を教えられてしまうのです。心が無く外側の見える部分だけになってしまうのです。星の王子さまの「本当に大切なものは目に見えない」と言う言葉通り、本当に大切な部分は音ではなく心。その部分が無く、目に見える部分(音は目に見えませんから、この場合物理的な現象としての音)だけになってしまうのです。 結局、習った物は音楽では無く、抜け殻のただの音になるってしまうことがあるのです。それに比べ、カラオケは楽しむことがまず重視されます。つまり心を表に出し、発散することが出来るのです。 ではクラシックも楽しければ何でも良いのか…とは思いません。一つ一つの基礎的な練習がもちろん大切です。ただ、その一見無味乾燥と思われるような練習にも、心を通わせ生きた音楽にする事に細心の注意を払うことが重要なのです。 それは茶番めいた感想を言ったり、心にもない大げさな表現を求めたりする事ではなく、ただただ心の言葉が音に込められているかを聴き分けることです。どんな練習にも心を通わせる事で生きた音楽になるのです。

法隆寺とアンサンブル

  世界最古の木造建築と言われる法隆寺に使用されている木材は、木材の癖をそのまま生かすため、どれ一つとして同じ形が無いそうです。加工技術が現代のような機械を使う加工でなく、カンナで削り出す方法であるため、全て同じ寸法にすることが難しいのです。 そして、その不揃い 言うと悪く聞こえますが、木材の癖をそのまま残した部材をバランスよく組み合わせることであの美しく千年以上も建ち続ける法隆寺の建物が出来ているのです。 実はアンサンブルもこれと全く同じことが言えます。良いアンサンブルとは一人一人の癖を個性として生かし、調和を作っていくものなのです。音を合わせるために皆同じ弾き方、チューナーで計ったような音程では生きたアンサンブルはできません。 それではみんなバラバラで合うのか…と思われるかも知れません。 このようなそれぞれ違った弾き方を合わせるのが感覚を開いた音の聴き方です。他の人の音をあたかも自分が弾いているかのように感じる聴き方です。アンサンブル全体を自分が率いて弾いている弾き方です。 このようなアンサンブルができる、こなような音の聴き方ができると言うことは、他人の個性を認め調和をしていくと言うことです。 是非、ただ美しいだけでなく、個性を生かし本当の生きた音楽をして下さい!

これ以上無い楽器演奏上達のコツ

これ以上効果的で簡単な上達法に気付きました。あるスピーチをする番組で、幸せについて話していました。 幸せだと脳の機能が高くなる そうです。それを聞いてなるほど!と気が付きました。 私は以前から「.音が綺麗だなぁ」「綺麗なおんがくだなぁ」と感じながら練習すると凄く練習効果が上がると思っていました。 これはまさに「幸せだと脳の機能が高くなる」現象ではないか!綺麗だなぁと感じることはポジティブな感情で幸せな状態ということです。その状態で練習しているのですから、上達が早いのは当たり前ですね。 逆に「あぁ難しい…、全然弾けない…」と思って練習すると、本当に上達しません…。 とは言え、難しい課題にぶつかり上手く弾けないときに「わぁ!綺麗!」とは思えないと思います。 そんな時はまず弾けるようになろうと思わず、何が美しいのか探してみて下さい。その美しさを感じられる速さと量で練習するように心がけましょう。 なにはともあれ「わぁ綺麗!」と感じながら練習することが、もっとも簡単で効果的なコツですね!

ヴァイオリン ハイポジションへ上がるコツ

ヴァイオリンを弾いていて、ハイポジションに突然上がるのはなかなか恐ろしいものです。特にオーケストラの曲などは何とも弾きにくいポジションを強いられたりします。そんな突然のハイポジション、闇雲に飛び付いてもなかなか音は合いませんね。 安心して一気にハイポジションに上がる方法を説明します。 まず、一気に上がるポジション移動でも音楽の流れの中にあることを覚えておきましょう。 第一にメロディーの流れをよく歌って掴んでおいて下さい。歌い方はこのブログの中で説明しています。 http://soundview3.blogspot.jp/2017/08/blog-post_60.html?m=1 この流れを歌いながら弾くことで、音程はとりやすくなります。 しかし一気にポジション移動する際のコツがあります。 まず上がった音に向かってその前のフレーズを深くお腹の底から歌うようにします。弓圧を深く感じ、ビブラートもしっかりかける感じです。その流れの勢いに乗ってポジション移動をしてください。 イメージとしてはしっかり踏み込んでジャンプする感じです。 音楽は流れなので、跳躍進行する場合は音楽的にもその前の部分は跳躍に向かってエネルギーが溜まるものです。したがって音楽的にも自然な流れが表現出来るようになるでしょう。

ヴァイオリン重音、ポイントを押さえて効果的に練習しましょう。

ヴァイオリン重音、ポイントを押さえて効果的に練習しましょう。 ヴァイオリンを弾かれる方でも重音が苦手、という方は意外に多いのではないでしょうか? 重音は曲の中でも頻繁に出てきますし、重音を練習することで耳を良くする効果や、左手のフォームを良くする効果もありますので、是非チャレンジして下さい。 練習の手順 1.ポジションの確認 まず、左手の抑える場所は完璧に覚えましょう。指と指が開くのか閉じるのか、ポジションを移動した場合上の音・下の音がそれぞれどれだけ移動するか、などです。 2.和音を声に出して歌います。上の音と下の音が溶け合い、美しいハーモニーを作るように歌いよく聴きます。3.で和音を分けて弾きますので、同じように歌います。下の音→上の音→和音を聴きながら上あるいは下の音、の順番です。 歌うとき、ただ音を歌うのではなく、旋律が流れるように意識すると効果的です。 3.一つの和音ごとに下の音→上の音→合わせる、の順番で弾く。 今、歌ったように弾きます。下の音→上の音→合わせる、と弾きますが、メロディーが流れるように。下の音に上の音が乗るように意識します。和音が鳴ったらその響きが部屋に広がるように聴いてください。 ポジションが移動する場合も中間音を正確にとり、弾いていきます。 このときによく歌って弾くと、1.で覚えた指の置き方が音と共に覚えることが出来、効果的です。 3.同時に弾く。 分けて弾いたものを同時に弾きます。和音を心の中でしっかり歌います。左手はあまり指板を押さえ付けないようにし、音程は右手(弓の方)で音程を取るような気持ちで弾きます。 ゆっくりできるようになったら、少しづつ速くしていきましょう。 心でより美しく正確に感じながら弾くことは、練習効果を想像以上に高めます。心を落ち着けて一つ一つ音を味わいながら練習して下さい!

その室内楽、本当にアンサンブルできていますか?

室内楽のようなアンサンブルは音の聴き方さえ習得すれば、鬼に金棒!演奏者の技術的レベルを超えた音楽の美しさを醸し出すことの出来るものです。 是非習得して、音楽の美しさを体験して下さい!少しでも多くの方にこのアンサンブルを知って頂くために、以前の記事をまとめてみました。 まず、アンサンブルの場合、自分が演奏しているのはその曲全体であって、自分のパートだけでは無いことをよく理解しましょう。 ベースから内声・メロディーまで全て自分で演奏しているのです。楽器の特性上の理由から、自分の体が扱うのは一つのパートかも知れませんが、脳の活動と言いますか、精神的には全てのパートをコントロールし演奏しているのです。 実際どのように練習したら良いのでしょうか? まずスコアをよく勉強する事は誰でも思いつくと思いますし、大切なことです。しかし、頭で理解してもそれが感覚と繋がらねば演奏にも繋がりません。また音楽を始めたばかりの方には、ちょっと難しいかも知れません。 具体的な練習は次のような項目で行うのがよいでしょう。 1、耳をを響きに慣らしましょう。 2、声でハーモニーを歌いましょう。 3、楽器で響きを作りましょう。 4、楽譜から思考を外しましょう。 5、響きの中で自由に演奏して見ましょう。 1、耳を響きに慣らしましょう。 普段音を聞こうとすると、無意識にある特定の音だけ聞こうとしてしまいます。人混みでも友人との会話が楽に出来るのはそのためです。しかし音楽を演奏する際、メロディーだけ、あるいはベースだけのように、ある特定の音だけ聞いていては美しいハーモニーは得られず、よい演奏にはなりません。 まず心を落ち着け、空間に広がる響きを聴いてみて下さい。例えば美しい景色を眺めるような感覚で音をぼんやりと聴く感じです。何かの音に焦点を絞ってはいけません。 音の広がりが美しく感じられれば良いでしょう。 2、声でハーモニーを歌いましょう。 次の段階では演奏している曲の最初の和音やその曲の調の主和音などを歌ってみましょう。 その際ピアノなどで和音鳴らして行うと1人でもでき、歌い易くなります。 和音の全ての音をそれぞれ歌う方が和音がより良く聴こえるようになります。 もちろん音の...

ヴァイオリン、身体と耳を整えるウォーミングアップ

みなさん毎日のヴァイオリン練習、決まってこれを弾く、これを弾くと調子が良くなる、といった物があると思います。 今回は私がこれをすると調子が整う!というスケール練習を紹介します。 まずE線第5ポジションの1の指で#ドを取り、キーボードやチューナーでミの音を鳴らします。 その音を聴きながら#ドから上にホ長調の音階を弾いて行きます。 出来るだけゆっくり(1音4拍くらい)、チューナーやキーボードで鳴らしている音と、全ての音が完璧に溶け合うようよく聴きながら弾きます。よく溶け合うと結合音と呼ばれる音が聴こえてくると思います。 注意することは左手の指で音程を探るのではなく、両手がお腹のあたりから繋がってしっかり歌っていことです。弓圧を下腹で支えるようにし、腹で歌うように、歌の気が身体を流れるのを感じるように弾きます。特に背骨の辺りを上に向かって音が流れて行くのを感じるようにします。 そして1オクターブ上の#ドの3度上のミまで行ったらまた#ドまでゆっくり戻ってきます。 もう少し上まで行っても#ド辺りで戻っても大丈夫です。 この#ドあるいはドから1オクターブと3度行って戻るスケールを、主音をキーボード或いはチューナーで鳴らしながら、全調弾きます。(途中でやめる日もありますが…) 高いポジションは指の幅が狭くなり音程をとるの難しくなります。指の感覚よりも歌う感覚で音程を取った方が遥かに楽に正確に音程をとることができるので、身体で歌う感覚が掴みやすいのです。その後、低いポジションを弾くと耳と身体が整っているので、音程がとてもクリアに聴こえるようになります。そしてその後の練習がはかどります。 ヴァイオリンを練習される方は、ちょっとやってみて下さい。

何もしない演奏が一番感動的

音楽は完成された姿で降ってくる クラシックを演奏される方は、よくどのように演奏すべきか考えます。例えば、この部分はクレシェンドで、ここはスタッカートで…などのように。 それは大切なことではありますが、もっとも大切なことを忘れてはいけません。 それは自分がどう弾きたいかです。これは好きな演奏家がこう弾いていたから、とか好きなCDがこうだったから、などというものではありません。これは単なるマネです。 実は音楽はすでに完成された姿で存在しています。ただそれは自分の心の奥深くにあるので、普段は見ることができません。多くの人がこれを見ることをせず、それとは別に頭で考えて演奏してしまうのです。 では、この心の奥深くにある完成された姿の音楽は、どう取り出せば良いのでしょう? それが響きを聴くことなのです。このブログでよく書いている、空間の音の広がりを見るように聴くことです。その手助けになるのが、響きを自分の声で歌うことです。ただ歌うのではなくその響きを肉体でも感じるようにします。 ただ聴くというインプットの作業だけでなく、自分の声で響きを作るというアウトプットの作業が、脳をより一層刺激します。 すると、響きに色を感じたり景色を感じたりします。リズムに乗って流れ出すと美しい景色が動き出します。 これがあなたの音楽なのです。そうすると楽譜に書いてある記号の意味も分かってきます。このスタッカートは海の中で泡が弾けているんだな、とか、このスラーは風に揺らめくレースのカーテンだな…などと感じられるようになります。 注意することは頭で考えないことです。音楽を聞いて頭でその様子を考えるのではなく、勝手に湧き上がってきたものが本物です。空間を見ていると、まるで音楽が天から降ってくるような印象です。 このように景色が見えたら、ただそれをもっともはっきり見えるように音を聴き演奏するだけです。演奏を何か恣意的に操作すると、その部分に違和感が生まれます。ただ感じるだけで演奏は変わるのです。何もしないことが大切です。 あなたは何もしなくても価値のある人間なのだから、天から降ってきた音楽をただ感じたまま奏でれば、価値のある演奏になるのです。

びっくりするほど上達する耳で弾くピアノ奏法

ピアノは弦楽器と違って鍵盤を押せばピアノの音が出ます。音程も調律がされていれば一応正しく出ます。 そのため弦楽器のように習い始めは耐えられない音が出る…ということは無い分、始めやすい楽器である、とは言えます。 しかし、こと押せば鳴ることがピアノの落とし穴なのです。 ピアノを弾かれる方は誰も「いやいや、音はちゃんと聴いてます」と言われるかも知れませんが、もっと聴いたらもっと美しく弾けるようになると思ってみて下さい。 このブログのいたる所に音は空間に広がり、景色を見るように聴く、ということを何度も書いていますが、ピアノはこの聴き方の効果が最も現れやすい楽器です。 和音が楽に出る事や大きな共鳴箱を持っている所から、豊かな響きを得ることが出来るからです。 実際ピアノを練習するときどのように音を聴くのか説明しようと思います。人の耳は何か特定な音だけに意識が集中するようになっています。つまり両手で弾いていてもあるときは右手のメロディーだけ、あるいは左手のベースだけ、というように部分的にしか聞いていない可能性があります。 そこで、楽譜の音を一音残らず聴き取るために、全ての音を声に出して歌います。もちろん声がピアノのハーモニーと溶け合い美しさが感じられるように歌います。音が美しく響くのが分からない場合はまだまだ足りません。 空間を意識し音の広がりを眺めるように聞いて下さい。 協和音・不協和音全ての溶け合うように聴きます。 メロディーもハーモニーに溶け合うように歌います。なぜならメロディーはハーモニーがあって初めて美しく流れるからです。 実際演奏するとき、どのくらいメロディーを浮き立たせるかは、演奏者の感性次第です。しかし、音を聴く練習のときは溶け合い包み込むように歌いましょう。 たくさんの声部が流れるフレーズでは 拍ごとの音の重なりの響きを歌って捉えるとともに、一つ一つの声部の流れも歌いましょう。利き手でない方で奏でるメロディーは意外に歌い難いものです。 このように歌って弾いていると、自分がどんな音を表現したいのか明確に見えてきます。歌うことによって一つ一つの響きの色を感じ、それがリズムに乗って流れ出すわけですから、それはそれは美しい光景が広がります。 この美しい光景が、まさに光...

病は気から演奏の問題点も気から

「病は気から」と言いますが、 東洋医学では体には気が流れており、その気が滞るとその部分に病気が現れるそうです。 演奏も同じことが言えます。先日ヴァイオリンを弾かれる方から音程について相談を受けました。 その方の弾く姿を見ると、左手の指が不自然に一生懸命指を動かしていると言う印象です。 しかし、もっと全身を観察し音をよく聴くと、原因は左手ではない事が分かります。歌という「気」が体を流れていないと言いますか、その「気」の流れが非常に弱いのです。 そのため、体が自然な歌の流れを感じず、複雑な動きをする左手の指に余計な意識が集中する。結果、無理矢理指を動かしてしまう状態になっていたのです。 そこで、何回か練習している曲を声で歌ってもらいました。 1. 注意する点は伴奏とのハーモニーを感じる。音の空間を意識し感覚を開きます。 2. 下腹の辺りまで空間に広がる音を吸い込むつもりで歌うこと。大きな声で歌う必要はありませんが、喉だけで音程を取っていてはリズムの流れが感じられません。しっかりお腹で歌うようにします。 このような事に気をつけ、何回か歌ってもらいます。その後ヴァイオリンで演奏してもらいました。その際、歌ったときの下腹をよく感じ、歌である「気」が下腹から背骨・肩・腕・指、そして指から楽器に流していくように感じます。左手の指の動きは忘れ、歌の流れだけ感じるようにします。 もちろん右手に流れる歌も同様に感じます。 全身下腹辺りから背骨・肩・腕・指・楽器へと歌を強く流すように意識します。 歌が身体を流れる事に意識して、何回か練習してもらいました。すると、身体の動きが自然になり、音程も良くなり、何よりも本人が歌っている、と言う実感を得ることができたそうです。 楽器を弾かれる方は様々な問題にぶつかると思いますが、まずは全身を流れる歌を意識すると問題解決も早くなります。

光と音 音楽は音でできた景色

光は電磁波の波、音は空気の振動の波です。 目に見えるものは、様々な周波数の光の波が組み合わさったものを目が捉え、脳が認知したものです。それと同じように音楽も、様々な周波数の音の組み合わさったものを、耳が捉え脳が知覚します。 まるで美しい景色が広がるような演奏の秘密がここにあるのではないでしょうか。美しい景色を眺めるように、音と音の重なり合いとその広がりの空間を意識して演奏することが大切になります。 しかし、人間の耳はたくさんの音の中から注目した一つの音を抜き出して聞く力は優れていますが、逆に同時に様々な音を聞くことには慣れていません。同時に聞いても脳が注目した一つの音に焦点を当て、他の音を認知しないようにしてしまうのです。 リラックスして何気なく音楽を聴いているときは全体の響きを同時に捉えていても、楽器を弾こうとするとどうしてもある特定の音に注意が注がれがちになります。 日々の生活ではこの能力は欠かすことが出来ないのですが、音楽を演奏するときは、違う能力を使うべきです。 様々な音が重なり合う音の響き全体を捉え、まるで美しい景色を眺めるように聴くことが大切です。

あなたは個性的ですか?

よく個性を大切にと言われますが、それはどういう事でしょうか? 他の人と一味も二味も違う奇抜な人を個性的な人と言うイメージがありすが、もう少し掘り下げるとちょっと違います。 個性とはその人の持っている性質ですから、別に他の人と違う必要もなければ、同じ必要もありません。もともと持っている自分の性質・性格が個性なのです。なので全く変える必要はありません。 私たちは普段人との関わりの中で生きていますので、常に他の人と比べてしまいます。それはそれでまた大切な事かもしれません。ですが誰もが素晴らしい個性を持っているのですから、素直にそれを出すだけで良いのです。 では個性を大切にするとはどういうことでしょうか?それは自分の心の奥深く、魂と言いますか、自分の価値を自分で認めることです。そして自信を持って生きるとです。そうすると他の人の価値も見えてきます。お互いの価値を認めて初めて個性を大切にすると言えるのではないでしょうか? もし、なんの個性もなく自分のことをつまらない人間と思っているのなら、それは大きな間違いです。何も大きなことをしなくても、大金を稼がなくても、今、目の前にある課題に精一杯取り組んで、それを楽しんで下さい。それに価値があるのです。 全てが行き詰まり何も力が湧かないなら、その様子を映画を見るお客のように眺めて下さい。苦しい状況でなんとか生きている自分が愛おしく思えてくるでしょう。生きているだけで、精一杯生きているのです。 聴衆に自分がどう受け取られているか心配する必要はありません。自分が音楽から感じ取った美しさを、是非お客さんに聴いてもらいたい!と思って演奏して下さい。 内面から溢れ出る美しさは、他と比べることの出来ない美しさと個性を持っています。